★あなたの贈与の仕方は大丈夫ですか。
折角節税のために贈与したのに、税務調査で否認されたら泣くに泣けない。
○110万円の単純な連年贈与は危険です。
私は、あちこちの講演会やレポートで110万円の連年贈与は危険ですと言ってきましたが、また毎年預金を親から子へ預金口座の振り替えをして贈与をしている人がいます。
一般向けの節税雑誌や銀行員の人が簡単にできる方法として、祖父母から孫に預金の名義を換える方法か、孫の口座に振り込みをする方法での贈与を勧めています。
○税務調査の現場のことをお話しします。税務調査官の質問にどう答えますか。
こんな例をイメージして下さい。
・お婆ちゃんが小学校一年生の孫に、クリスマスの時にこれから毎年110万円を贈与すると、決めました。銀行員は毎年孫名義の定期預金を作り、お婆ちゃんは大事に証書を持っていました。
①贈与した証拠の定期預金証書を見せて下さい。
②この定期預金証書は、いつもはどこに保管してありますか。
③定期預金を作ったときの状況を教えて下さい。
④定期預金を作ったときの印鑑を見せて下さい。どこに保管してありますか。
⑤お孫さんはこの定期預金は自分のものと思っていますか。
⑥お孫さんはこの定期預金を自由に使うことが出来ますか。
⑦毎年クリスマスに贈与していますが、これはいつ贈与しようと決めましたか。
⑧贈与税の申告はしていますか、当然申告義務はないのでしてませんね。
○上記の質問にどう答えますか。答え方によっては贈与が否認されたり、多く課税されたりします。
①定期預金証書をお婆ちゃんが持ってきたら、本当に贈与したのか、孫の名義を借りたのかの判断ができなくなります。
(贈与)とは民法で次のように規定されています。
第549条 贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
②定期預金は、銀行員とお婆ちゃんとで作ったとなると、孫は貰ったというのを認識していない。
だから贈与は成立していないと言われる恐れがあります。
③④⑤⑥
銀行印をお婆ちゃんが持っていたとすると、孫の管理下になく、孫が自分のものとの認識もないの では。自分のものと思っていなければ、贈与は成立しなくなるし、印鑑がお婆ちゃんが持っていた とすると全く自由に使えない状態であるので、これも贈与したとは言えなくなってしまいます。
⑦3年前に贈与をすれば相続税が安くなると聞いたから、また孫に贈与したならば、3年以内の贈与 加算がないからすごく良いと雑誌に書いてあったから、これから毎年クリスマスに110万円を贈 与すると決めたのです。・・・・・この答えだと決めた時点の総額が贈与税の対象となります。
●3年間だと300万円が贈与で、贈与税が19万円になります。
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