◆80%も宅地の評価が下がる「小規模宅地特例」の活用を
マイホームの相続の重要ポイントである「小規模宅地の80%の評価減特例」が使いやすくなりました。今のうちに適用できる条件整備をすべきです。
◆小規模宅地の評価減特例とは、被相続人が実際に住んでいた自宅の敷地を配偶者や同居の子どもが相続する場合、240㎡までの部分について相続税評価を80%評価減するという制度です。
「相続税評価額が高すぎて自宅を売却しなければ相続税が払えない」という悲惨な事を避けるために設けられた税制上の救済措置です。
例えば一坪200万円、50坪の自宅の場合、土地だけで時価1億円になります。
たまたま一等地の自宅であり、他に何も無いとしても建物を含め1億円以上の相続財産となってしまいます。
小規模宅地の評価減の特例を適用すると80%の評価減となるため、相続税評価額は2千万円となる。これは非常に大きいのです。
◆同特例を適用できる対象者は、
配偶者か同居の子ども。配偶者は無条件で適用できるが、子どもの場合は被相続人と原則として「同居」していたことが条件になります。
以前の法律では、この「同居(居住)」要件については、近年二ーズの多い二世帯住宅や、高齢化社会を背景に増加している「老人ホーム入居中の相続」に対応しておらず使い勝手が悪かったが、平成26年1月から大幅に拡大されている。
◆二世帯住宅が同居とみなされ特例が受けられます。
二世帯住宅といってもさまざまなタイプがあります。
昨年までは、内階段や内廊下でつながっているなど二世帯を自由に行き来できる構造でなければ「同居」とはみなされず適用は出来ませんでした。
例えば、1階に父母、2階に長男家族が住んでいる二世帯住宅の場合、玄関が別でも内階段等でつながっていれば「同居」。
ところが、2階の長男宅には建物の外階段からしか行けないような完全分離型の二世帯住宅の場合は「同居」とみなされず、長男宅に対応する敷地部分については特例の適用は有りませんでした。
二世帯住宅のニーズが高まる中で、この杓子定規な取り扱いに批判が集中していましたが、平成25年度税制改正により、内部で行き来できるか否かに関わらず二世帯住宅であれば「同居」とみなされることになりました。これにより、外階段タイプの完全分離型の二世帯住宅でもその敷地全体が小規模宅地の評価減特例の対象になり、これまで同じ二世帯住宅でも構造の違いにより税制上の取り扱いで明暗が分かれていたが、改正により不合理は解消しました。
Vol.61に続きます
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