◆税務上では贈与として認められないのか?
前回、孫が「贈与して貰った」という認識があるかないかの話をしました。
ただお婆ちゃんが「将来孫に渡すために貯金をしていた」、これでは孫が知らないから贈与ではないことは明かですね。
では 孫にお婆ちゃんが、
「花子ちゃんのためにお婆ちゃんは毎月貯金をしてるから、きちんと花子名義にしているから大人になったら渡すからね」と言い、花子ちゃんは「ありがとうお婆ちゃん」と言った。
この場合 贈与として認められるでしょうか。
○預金名義だけでは、贈与ではありません。
大人になったらと言うことは勿論今贈与していないと言うことですが、もう一つ考えて欲しいことがあります。
花子ちゃんが「ありがとう」と言っても、現実のその預金の所有権は誰なのでしようか。
貰ったものは、本来貰った人、贈与を受けた人の自由になるものです。
その預金の通帳や印鑑は花子ちゃんが持っていて、自由に引き出して使うことが出来るのでしようか。
この様な場合は預金通帳も、印鑑もお婆ちゃんが持って管理をしています。
従って、花子さんの自由にならないとすれば、贈与があり、所有権が花子ちゃんに移ったとは云えないのです。
従って贈与でなく、名義を借りて預金を作ったと云う事になります。
だから相続財産の中に含めて相続税の申告と遺産分割が必要となります。
○現実問題としてその預金はどうするのか。
相続人から考えれば、お婆ちゃんの意志を大事にしたいと思いますね。
だったら その預金は花子ちゃんにあげるべきだと思いますが、贈与されていなければ、孫である花子ちゃんには相続権はありません。
相続人の全員の協議で花子ちゃんの親に相続してその後花子ちゃんに正式に贈与する方法。
また、基礎控除以下で相続税の申告が不要、相続税が掛からないとすれば、あとは相続人全員で協議をすれば良いと思います。花子ちゃんが貰っていたことを全員で確認すれば、相続税は掛からないし、名義をそのままにして実際に花子ちゃんが貰うことも可能だと思います。
○預金名義だけを変えるような贈与は気をつけて下さい。
毎年110万円の定期預金を作って10年後に、1100万円をまとめて渡したとします。
毎年110万円で税金が掛からないからと言っても、その贈与が正式でない場合、例えば通帳と印鑑を渡してなかったら、贈与ではないのです。
1100万円を一度に贈与したと認定されたら、271万円の贈与税が掛かります。
是非名義を変えるだけの贈与は慎重に行って下さい。
◆111万円を贈与し、申告して1000円の贈与税を払うことで証拠作りが出来ます。
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