昭和22年の民法改正から既に70年以上経過しています。その間民主主義だと云われ基本的人権を基本に、人間は平等であり兄弟も男女も全て平等という考えが浸透しています。
この中で遺産相続に対しても法定相続割合で兄弟が平等である事は当然であり、昔の家督相続や長男が多く相続するなんて絶対におかしいと多くの国民が思っています。
その「子供は法定相続割合が平等」という大前提が、元NHKニューヨーク総局長の日高義樹氏の次の著作でビックリしたのが私が色々考える切っ掛けのひとつでした。
◆戦後の民法改正「財産を均等分割」にすると決めたのは誰なのか。
「日本人が知りたくない アメリカの本音」 徳間書店
この本の109ページに次のように書かれていました。
もともとアメリカの人々にとって土地はきわめて大切である。遺産相続でも土地は基本的に長男が相続するとされている。これについて私は詳しく調べたわけではないが、アメリカの人々は伝統的に、土地を細かく分けて息子や娘達に相続させることはしてこなかった。細かく分けてしまっては資産として残らないという考えからだろう。
「財産の相続は当然のことながら平等に行われる。しかし土地は長男のものだ」
こういった暗黙の了解があり、この問題についてゴタゴタが起きたという話はあまり聞かない。財産のうち株や宝石、絵画といったのもは次女や次男に分け与えられるが、土地はそっくり長男がもらう。「アメリカでは開拓時代から長男が土地を全て相続した。次男以下は土地が欲しければ西部へ行かなければならなかった」
これを読み「えー、嘘だ・・・」と思ったのが最初の感想でした。
それまで田分けで財産が分散し本家がなくなったり、相続争いを見てきたりで何かおかしいと思っていた時にこの本を読んだのです。そうか仕組まれていたのかと判った時から現代の日本の制度などの疑問点が解けてきたのです。