前回、「空き家」を相続して、そのままにしておくと大変費用が掛かることをお話しました。今回は、「空き家」を相続したらどうしたらよいか、その対策のお話をします。
1.相続人または相続人の関係者(子や孫)が住む
持ち家がない方が、自宅として使用する。(諸規模宅地の評価減が受けられる場合があります。)
2.貸家として貸し出す
今は住まないが、将来は子供が住むようになる場合等は、とりあえず貸家として人に貸して収益を上げる。ただし、すぐ借り主が現れない場合や、貸し出すにあたりリフォームをしなければならない場合があり、その費用が多大になり採算にのらないこともあります。また、一度貸し出すと借り主が住んでいますので、住みたい時にすぐ住めるかどうかわかりません。
3.駐車場として貸し出す
貸家では、採算にのらない場合は、建物を取り壊して駐車場として貸し出します。取り壊し費用が掛かり、固定資産税も上がりますので、その費用を駐車場収入で回収出来るかシミュレーションする必要があります。しかし、いつでも家を建てたり、売却することが出来ます。
4.売却する
前々回にお話しした、3000万円の特別控除が適用できる場合は、売却することがおすすめです。しかし特例の要件に該当しない場合は、譲渡税が発生します。(ただし、相続財産を売却した場合の取得費の特例を受けられる場合があります。)また、すぐ売却できない場合もあります。
5.現状のまま維持する
なにもしないで現状のまま維持する場合は、維持費(固定資産税)が掛かり、最悪強制撤去になった場合は、その撤去費用の支払いがきます。また、強制撤去にならないようにするには、しっかりと建物の管理をしなければなりません。
その建物の状態や不動産の場所等によってかかる費用も、受ける収益等も変わってきます。「空き家」を相続してからでは、なかなか対策がとれません。相続が開始する前に、家族でこの「家」をどうするか話合いましょう。
松井 稔幸