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2017.12.03更新

相続で土地の評価を下げる大きな特例として、「小規模宅地の特例」を前回まで説明してきました。しかし、実際の相続では使えないケースが多く見受けられます。 現在の社会では、親が一人で生活をして、子供が別居生活をしている場合が多いのです。



 この別居している場合の小規模宅地の特例を適用できる要件は、次の通りです。
1.相続が開始する前3年以内に、別居している相続人本人又はその相続人の配偶者が所 有する家屋に住んだことがないこと。
2.被相続人に配偶者がいないこと。
3.相続開始の直前において、被相続人の居住家屋に同居の法定相続人がいないこと。
4.その宅地等を相続税の申告期限まで所有していること。

 

 つまり親の配偶者が亡くなり一人暮らししていて同居の相続人がいない場合で、相続人が自分の持ち家に住んでいる場合は、この小規模宅地の特例(特定居住用宅地:330㎡まで80%評価減)は使えません。
 しかし、親が一人暮らしで同居の相続人がなく、持ち家がない借家暮らしの相続人(私たちは「家なき子」と言っています)ならば、小規模宅地の特例は使えます。
また持ち家がある人でも、相続開始3年以内に持ち家に居住していなければこの特例を受けることが出来ます。

 

 相続で親の自宅の評価が高く相続税がかかると言う方は、今住んでいる自分の持ち家を例えば人に貸出、自分たちは借家に住むようにして3年後に相続が発生した場合は、この「家なき子」に該当し小規模宅地の特例が適用出来ます。3年以内に相続が発生してしまった場合は、残念ですが適用出来ません。

 

 自分たちの住んでいる自宅を、人に貸し出すことを嫌がる方もいると思います。でも相続対策にはなります。

 もっとも親が高齢になったら、親の自宅に同居する(持ち家をどうするかは別問題として)ならば3年待たずして、小規模宅地の特例を適用出来ます。

 小規模宅地の特例には、いろいろな適用条件が有りますので実行する前に必ず税理士に相談してから実行して下さい。

松井 稔幸

投稿者: 税理士法人あけぼの

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