昭和22年の日本国憲法制定に伴う民法の親族法・相続法の全面的改正が行われました。
これは「家」制度や妻の無能力制度の廃止、夫婦や父母の地位の平等化、家督相続制度の廃止など家族関係のあり方を根本的に変革するものでした。
その後、昭和30年、昭和37年、昭和55年と民法改正は続き、最近では配偶者の相続について大幅な改訂が行われました。この改訂がどのような目的を持って、社会をどのように変革するかが知りたいものです。
昭和22年の全面改正について「学会論文 J-STAGE アメリカ研究 アメリカの対日占領政策における民法改正 土屋(森口)由香著」では次のように書かれています。
「日本が二度と世界の平和と安全の脅威にならない」ことが目的で法律の改正作業が行われた。「占領軍が行った家族法の民主化・女性の解放は、日本が将来アメリカの軍事・経済的脅威とならないように、弱小・無害な民主国家に作り替えるという政治目的の中に位置づけられる」「日本の女性弁護士の意見の家制度の廃止を、重大な封建制の残滓の一つとして、アメリカの対日占領政策の目標と一致することになった」
要するに封建制度の廃止を訴えていた女性弁護士と占領政策が一致し、その法律改正を通じて社会の変革を行ったのであります。もちろんそれにより日本の社会が民主的で暮らしやすい社会になったことは、良いことであったと思います。
しかし占領政策は社会形成力を至る所に活用し、日本の家族をバラバラにし、国家の基盤、最小単位ともいえる家庭崩壊をも狙ったのであります。
なぜ私たちの意識が「争族」になっていったかの原因を知ることが出来れば、また自分の考えがひょっとしたら押しつけられたり、洗脳されたと分かれば、元々親子兄弟は仲良く暮らそうという日本人の特性が働き出して、お父さんが亡くなったときには、その相続を縁としてもっと家族平和で仲良く暮らせることが出来るものと期待しています。