日本は超高齢社会!!
日本は超高齢社会(65歳以上の人口割合が21%以上の社会)になっています。その高齢者のうち認知症患者及びその予備軍の割合は25%になってきています。
と言うことは高齢者で不動産を持っている方が認知症になる確率は高くなってきていると言うことです。認知症になった場合、その資産の売却や活用、相続対策は出来なくなってしまいます。そして、そのようなときは「成年後見制度」で、これまでは対応してきました。しかし「成年後見制度」は手続きが面倒で、柔軟な資産運用が出来ませんでした。(家庭裁判所に後見の申立からはじまり、資産管理等の報告まで行います。)
そこで「家族信託」が有効!!
今までは「成年後見制度」でしたが、平成19年9月に信託法が全面改正され「家族信託」が出来るようになりました。「家族信託」とは、簡単に言うと信頼できる家族・親族に財産を託し、費用を抑えた形で柔軟な財産管理と資産承継を行うことです。
たとえば、母親が1人住まいの古屋を残し老人施設に移ったような場合、自分の子供にその古屋の管理をまかすような場合に、母親を委託者・受益者にして子供が受託者となる「家族信託」契約をまだ意志能力があるうちに結びます。そうしておけば、将来母親の意志能力が衰えてしまっても信託契約の定めに従って財産管理が行われます。
「家族信託」のメリット!!
1.誰でも気軽に利用でき、家庭裁判所や信託銀行を介在させることなく、家族間の契約で作れる自由な制度
2.生前の財産管理手段として、「成年後見制度」の代わる選択肢
3.生前に遺言書と同じ効果をもつ
4.相続における財産承継の順番づけが可能
ただし、「家族信託」を行ったからと言って、相続税が安くなるわけでも、家族間のもめ事がなくなる訳でもありません。
あくまでも資産運用・資産承継の方法の一つです。
松井 稔幸