相続の話の中で誰が一番大切か、常識に囚われずに考えれば同居の嫁なのです。一般的には相続人でない嫁は「あなたは相続人でないので口を出さないで」と言われます。勿論嫁が相続の遺産分割の話し合いに口を出せば大変な事になりますが、口を出さない事と大事にする事とは違います。
相続人でないので相続財産は一銭も渡さないというのが普通になっています。
しかし相続の遺産分割は財産の分捕り合戦ではないのです。これから残った人たちが如何に仲良くするか、亡くなった人の供養を始め先祖供養である祭祀をどうするか、また普通であれば次の順番である母親の面倒をどうするか、その他今後の家を守って行くにはとか色々考える事はあります。また家を出た次男や嫁に行った娘達の幸福をどうするか、どう遺産を分ければ兄弟で公平になるかを考えるのが、遺産分割協議なのです。
残念ながら現在の形見分けや遺産分割の話は財産をどう分けるかに終始しています。
もし今後の事を考えるのであれば、親父が亡くなったら次は母親であり、この母親の面倒はどうするのか。誰がどのように面倒を見て費用はいくらぐらいかかるのか。また亡くなった親父の面倒を見てくれていたのは嫁とすれば、その今までの感謝の思いをどうするのか、介護が大変であったなら尚更です。
財産分けではなく、今後の生活を考えるならば、中心となるのは同居の嫁ではないのか。
今後色々助けて貰うべき嫁を考えない遺産相続は、その後の家族関係をギクシャクさせるかも知れない。