家族葬では自分は嫌だ、という気持ちを考えてみると、いったい何だろうか。
自分が死んだらそれでお終い、もう何も残らないし只遺体という脱け殻が残るだけと思ったら焼いてお終いかも知れない。しかし自分が今まで生きてきた人生は何だったかと思うと、いろんな人の心に残って欲しいと思うのは私だけだろうか。
あの人とはあんな事もこんな事もした、お世話になった人、迷惑をかけた人、何かお役に立てた人、一緒に人生を歩んだり、苦労をともにした人、一緒に飲んで笑ったり泣いたりした人など。
多くの人と自分は人生を生きてきた、そんな人に最後のお別れをする時間と場所を持って貰いたいと思う。
自分も今まで多くの人の葬儀に参列をした。数珠を持ち会場に入った瞬間正面の写真を見て涙した事も何度もある。読経の最中色々な事が思い出され、焼香台に近づきながら心の中で最後のお別れをする。そして焼香をしながら個人と色々会話やら、これからの生きる事への約束などもする。
自分の人生の一コマの葬儀の参加は、少ない時間ではあるがもの凄く多くの想いやこれからの事も、一気に凝縮されているのです。
また多くの人が言う「ご冥福をお祈りします」と。冥土に云ったら幸福になるのだとみんなが祈ってくれる。こんな凄い瞬間が葬式なのです。
簡単に安く済むからと云って、「家族葬」で済ましてくれるなと言いたい。