お盆に人口大移動で、高速道路は大渋滞ですが、それでも田舎に帰るというのは目に見えない先祖の供養と心で判っているのだと思います。
お盆とは盂蘭盆会であり、目連尊者の亡きお母さんの供養のお話しです。仏教における『盂蘭盆経』に説いているのは次のような話です。
仏道修行の安居の中、神通力第一の目連尊者が亡くなった母親の姿を探したところ、優しかったお母さんは極楽浄土におらず、菩薩界・天界・人間界などあちこち探したが見当たらず、あの優しかったお母さんは餓鬼道に堕ちていたのでした。お母さんは目連を可愛がるため他の人々に対しては冷たがったのです。餓鬼道に墜ちたお母さんは、喉を枯らし飢えていたので、水や食べ物を差し出しましたが、ことごとく口に入る直前に炎となって、お母さんの口には入らず苦しみが増すばかりでした。目連尊者は哀れに思って、お釈迦様に実情を話して母を助ける方法を問うと、「安居の最後の日にすべての比丘に食べ物を施せば、母親にもその施しの一端が口に入るだろう」と答えられました。
その通りに実行して、比丘のすべてに布施を行い、比丘たちは飲んだり食べたりした。すると、その供養の喜びが餓鬼道に堕ちている者たちにも伝わり、お母さんの口にも入り助ける事が出来たというものです。今でもお寺にお盆の法要に行くと施餓鬼供養というのがあり、果物野菜などを供養しています。
もし自分の両親や先祖が同じように餓鬼道に落ちているとすると、少なくとも盂蘭盆会に供養をして助けたいと思うのが子供の気持ちではないでしょうか。
このお釈迦様の話が本当なのか、迷信なのかでどうするかが変わりますが、少なくとも日本に仏教が伝来し、1400年ほど長期間伝承されてきたと言うことは何かあると考えた方がよいのです。
となると、もし墓じまいをしてお寺とも縁を切っている場合は、どうして救ってあげられるのか。勿論仏教以外にも方法があるのかも知れないが、見えないから無いのでなく、見えないけどあると信じてお盆の供養をした方が心の安心に繋がります。
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