確定申告の時期にブログの更新をサボってしまい、ずるずると来てしまいました。ここで、気持ちを新たにブログを再開いたします。
今年の相続税の改正で、小規模宅地の特例の適用が大きく改正されました。私の2017/12/4のブログで「小規模宅地の特例を使って、相続対策をしよう」が、一部出来なくなりました。
相続の評価で、小規模宅地の特例(特定居住用宅地)は大きな効果を生みます。そのためこの特例を受けるために持ち家がある相続人が、その持ち家をあえて親族に売却・贈与し、その後もそのまま住み続けることで「家なき子」に該当して、この特例を受ける等過度な対策が取られました。国は今回の改正でこれを封じることにしました。
改正点
(改正前)・相続開始前3年以内に国内にある自己又は自己の配偶者が所有する家屋に居住したことがないこと
(改正後)・相続開始前3年以内に国内にある次の者が所有する家屋に居住したことがないこと
①自己又は自己の配偶者
②3親等以内の親族(伯父・伯母・甥・姪など)
③特別の関係がある法人(所有する同族会社など)
・相続開始時に居住している家屋を過去に所有していたことがないこと
今までは相続開始前3年以内に自分や配偶者の所有していた家屋に住んでいなければ適用できましたが、今回の改正で親や3親等以内の親族が所有している家屋に住んだ場合も適用出来なくなりました。
相続の時、親(被相続人)の自宅を小規模宅地の特例の適用を受けられるか
例1 親(被相続人)が子供(相続人)の住む家を建て子供がその家に住み続けた場合
(改正前)相続開始前3年以内に自己又は自己の配偶者が所有する家屋に住んでいないため適用あり
(改正後)相続開始前3年以内に3親等以内の親族の所有している家屋に住んでいるため適用なし
例2 子供(相続人)が、自宅を子供(相続人)の長男(孫)に贈与して子供がその家にそのまま住み続け3年経過した場合
(改正前)3年経過したため適用有り
(改正後)相続開始時に居住している家屋を、過去に所有していたため適用なし
このように小規模宅地の特例の適用が大変厳しくなりました。この改正は2018年4月1日以後に相続から適用されます。十分注意しましょう。
松井 稔幸