遺産相続や子育て、家庭のあり方等を「子供のため」だけを考えた時には、目先対策となり、家系は続かない。相続対策で子供が困らないためと云われているが、内容を良く考えてみよう。
子供が本当に困るのでキチンとしておかなければいけないものは、多くは自分の代で解決をしておかなければ誰も分からなくなってしまう問題です。
例えば、土地の境界線で揉めているとか、本家と分家(兄弟姉妹)の争いが残っているとか、借用証書はないが貸し借りをしているとか、借地等契約関係が明確でないものがある等々が大事であり、財産をどう分けたら喧嘩しないか等を「子供に迷惑をかけない」と思っていませんか。
相続対策の目的が「家系を残すには、孫まで財産を残すには・・・」と子供以後の事を考えれば対策が違ってきます。相続財産は子供のものだから仲良く分けなさいと云うと、遺産分割の財産は「貰ったもの」だから子供は自分のものとして自由に処分するようになる。これでは財産は孫まで残らない。
「孫にしっかり残してくれ、代々続けてきたから護ってくれ」というと相続した子供は自分の財産でなく、次の代に残す物と考えて自由に処分しないのでないか。
今の時代そんな甘くはないし、子供も結婚しないし、と言われそうですが、農業だけでなく代々事業を行っている方はそのような方が多くみえます。そのように考えるから代々続くのか、代々続いてるからそのように考えるか、これが問題なのですが。