家系を護る田分けブログ
「相続対策は家が滅べば意味が無い、家系・先祖・子孫を護ることが最優先である」

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2013.03.31更新

○事業承継対策は兄弟相続争いを孕んでいる。
 まず始めに事業承継対策は必ず法定相続割合とぶつかることになる事を知ろう

 このブログの大前提は民法で「法定相続割合」を定めたことが「相続から争族」への原因であると言うことです。これに対して異論がある人もいると思いますが、また陰謀論だと批判する人もいると思います。このブログのVol.001~008を見て下さい。

 世間全体が兄弟は「法定相続割合」によって均等に相続するのだということが常識になっている現状で、相続対策の中心である事業承継を考えたら、絶対に不公平になる事は目に見えています。


○企業の存続と発展のためには後継者に株式や事業用資産を集中させる必要があります。

 中小企業の事業承継問題で最も重要なことは、資本(財産)を「田分け」にしないことです。
後継者の人的資質問題は別に考えるとして、まず企業競争に勝つには資本の充実と、経営権の絶対的な集中化です。
資本(財産)を細かく分散化したり、株式所有を兄弟間で分割し、経営権の多角化を図れば誰が考えても中小企業は立ち行かなくなることは分かります。

とすると遺産分割の兄弟仲良く法定相続割合などとは言っていられなくなります。
特に中小企業の相続財産の殆どが自社株という場合が多い中、後継者に株式財産を集中することは、分割割合に不公平が生じ、相続争いが必ず発生すると言うことです。
これをまず解決することが全ての大前提となります。

一般的に事業承継対策は、次のような方法・手順がありますと言われています。
①株式保有状況を把握する
②財産分配方針を決定する
③生前贈与の検討、実行をする
④遺言活用の検討、作成する
⑤種類株式など「会社法」の活用を検討する。
⑥その他の手法の検討をする
上記の大前提は兄弟が揉めないためにはと言うことが考えられていますが、もっと積極的に考えることが出来ないかと言うことです。


○生命保険金は、後継者以外の兄弟に現金で「遺産分割を承諾」してもらう為に掛ける。
一般的な生命保険の活用効果は既にご存じだと思いますが、発想を変えるのです。
生命保険金は、事業承継の後継者以外の相続人に「現金で承諾」して貰うために、多額の生命保険に入るのです。そして そのことを事前にしっかりと言い含めておくのです。企業経営が資本の集中や経営権の集中が無ければ厳しい競争には勝ち残らないと。だから後継者以外は現金で我慢してくれと。
まずすべきは相続人の争いを如何に無くすかが勝負なのです。
このことに逃げている人が多く、だから遺言書に書いておこうという発想になるのです。遺言書に書いてあっても不公平であれば争いに発展します。揉めることが前提の相続対策が必要です。

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.28更新

○私の身の回りも「その物の価値」と、「思いでの詰まった物」があります。

  物としての利用価値だけの物は必要がなくなれば処分されます。
しかし、物の価値だけでなくその物に思い出が内包されている場合はどうでしようか。
古くてもう使わないにも拘わらず 何となく捨てるに忍びなく、いつまでも手元に置いてあります。
皆さんの周囲にもそんなものは結構多くありませんか。

○自分が欲しくて買ったという努力もなく、親が大変な思いで取得したという思い入れ もない相続財産はあっという間に売却処分されていきます。
 
 相続財産は相続した子供は何の苦労や努力も無しに手に入れたものです。
欲しくて欲しくて買ったという思いもなく、欲しいものを節約しお金を貯めてやっと手に入れたという思い入れもなく、親や先祖が必死の思いで手に入れたという思い出も何も聞いていない場合は直ぐに処分の対象となります。

○先日の相続案件の紹介です。
遺産分割協議が終わり、相続税の申告が終わったら直ぐに更地を売却されました。

 兄弟が二人、兄は成績優秀で東京の大学に入り、そのまま一流会社に就職しました。弟は地元の大学で豊橋の普通の企業に就職をして親と一緒に同居していました。
親は農業をしつつ市街化区域の土地を活用し、アパートマンション経営でしっかりと財産を残しました。親と同居した弟は、ことあるたびに親や祖父の戦後の苦労の話を酒を飲みながら聞かされいました。このアパートの敷地は祖父が苦労して買った土地。このアパートの敷地は最後まで親父が耕作をして守ってきたが、相続対策で借金をしてアパートを建てた土地。今耕作している田畑も先祖の苦労のお陰と言うことをしっかり聞かされてきました。

○相続対策での節税対策はしてきましたが、・・・。
次男には家の財産のルーツと言うべき思い入れを話してきました、しかし東京の長男にはそのチャンスがなく、思いでの詰まっていない財産を相続することになりました。

 遺産分割は当然のごとく揉めました。大きな原因は何度遺言を書いてくれと言っても親父は書きませんでした。(原因は別のところで話します)
長男は東京に行っていても長男の思いを主張しました。定年になれば豊橋に帰って来るのだから半分をよこせと。次男は自分が家を守ってきたのだから、親の面倒を見てきたのだからと言って居宅を始めアパートなどの財産を主張しました。

遺産分割の協議は結構時間がかかりましたが、結局ほぼ法定相続割合に近い割合で分割することになりました。その時兄は定年後は豊橋に帰って生活するのだと何度も言っていました。
しかし相続の申告が終わり、不動産の名義を換えたとたんに800坪の更地を売却をしてしまいました。2億円以上の現金を手にし、長男はもう豊橋には戻ってこれないでしょう。あれほど豊橋に戻るから土地が欲しいと主張していたのに、思い入れのない土地は簡単に処分されたのでした。

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.15更新

★まず 財産の調査、財産の棚卸しをやりましょう。

◆一体自分の家にはどのくらいの財産があるのか、金額に換算したらいくらになるかを調べないと 次に進めません。

1.土 地  市町村の固定資産税の通知書で分かります。1筆毎の利用状況(居宅敷地、駐車場、貸宅地、アパート敷地等)も必要です。
2.建 物  固定資産税の通知書で分かります。利用状況も必要です。
3.建築中の家屋
4.営業用財産  個人事業を経営している場合は、青色申告の決算書に書いて有ります。
5.上場株式
6.非上場株式
7.自社株式     会社経営の場合は決算書から株価等を算出します。
8.公社債、貸付信託、投資信託等
9.現金・預貯金
10.書画、骨董、貴金属類、家庭用財産
12.貸付金、未収入金
13.無形固定資産  特許権、著作権等の権利。
14.生命保険、年金・積立型損害保険
15.退職給付金、退職慰労金等
16.ゴルフ会員権スポーツクラブ会員権等
17.その他財産と思われるもの。
18.負債  銀行、信用金庫等の住宅ローン、その他借入です。


★次にその財産のルーツを調べましょう。これが最も大事です。

今ある家の財産は一体誰が手に入れたか、誰が残してきたのか。
自分が作った財産だからどうしようが自分の勝手であるという人がいます。勿論それはその通りだと思います。しかし本当に自分だけで作ったのか、先祖が残した財産を組み替えたかも知れません、先祖が有ったから自分の財産が増えたかも知れません。

それぞれの財産のルーツを思い出すことで、金銭価値以上のその物に含む
 「心の価値」が見えて来ます。 これを子供達に残すのです。

 種 類   所在地 内容  取得 時期   取得者  その時の状況 
 土地  豊橋市 自宅敷地  昭和25年  祖父 太郎   戦後の大変な時に食わずに我慢して  
 建物  豊橋市  アパート   平成 9年  父    健司   退職金と銀行借入、孫の教育資金捻出

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.14更新

★プロが書いている相続対策の本にこんな事が書いてありました。

「相続対策の基本は現金減らし」 ・・・お金を今のうちに使おうと云うのです。
 ・生活費は最も簡単な相続税対策。
 ・車は高級車を買うに限る。
 ・自宅改修はキッチンと水回りからやること。

 今 政府が何を国民にさせたいか、もっとお金を使え、使ったら無くなるその先のことは保証してくれない。今の景気が回復すれば良い、国民の未来の幸せより今の享楽を選べと言っています。
本当にこれで幸せになるのでしょうか。

★お金を使えば相続税対策になります。相続税を安くするだけならそれも正しいかも知れません。

しかし、何の為の相続対策ですか。
未来の子供や子々孫々の幸せのためではないでしょうか、子々孫々の幸せのために財産を残そうと思って
一生懸命汗水垂らして頑張って仕事をしてきたのではないでしょうか。

その必死で働いた結果、財産が増え子孫が安心できる体制が出来たのです。その増えた財産を減らすというのが一般的な相続対策なのです。これでは本来の目的から外れてしまうのです。


◆しまつして、きばる

◆紀伊国屋文左衛門と対照的な近江商人
「豪商」といえば、元禄時代に豪奢の限りを尽くした紀伊国屋文左衛門を思い出します。
また日光東照宮の修復工事を請け負って、巨額の富を得た奈良屋茂左衛門もいました。
日本の歴史に残る豪商といえるこの二人の家はどうなったのでしょうか。

紀伊国屋は晩年には没落し、蓄えた莫大な財を次代に引き継ぐことはできなかった。
奈良屋の場合も、築いた財産を跡継ぎが遺言を無視して湯水のように使い、これも瞬く間に没落した。
一瞬の栄華を手にしたのち、急落していった二つの商家。これらの商家の生き方には、スケールは違うが、バブル景気の泡と消え去った企業等と重なるところがあります。この豪商の相続対策はどうだったのでしょうか。

◆近江商人の商法を象徴する家訓がまさに相続対策だと思います。
近江商人が残した家訓の内容は、
「正直であれ」「堅実に生きよ」「倹約を忘れるな」「勤勉に務めよ」

といった人生訓や商い上の教えが多い。これこそが子供や子孫が幸福に暮らせる基本なのではないでしょうか。子供に財産をたくさん残しても、その子供が孫に残さなければ本当の相続対策ではありません。代々の子孫が幸福に安心して暮らせる事を考えて下さい。相続対策を目先の子供の代だけを考えると、前述した没落した豪商になってしまいます。

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.13更新

★もめるのを助長させる 「兄弟均等相続の法定相続割合」をなぜ作ったのか。
【日本の相続法の変遷】
 明治初年の相続法
・1873年太政官布告28号 華士族家督相続は当主の意思による跡目相続を許容
    太政官布告263号  華士族につき長男相続制
 1875年太政官指令   平民にも長子相続制

 旧法(明治31年)時代の相続法
 ・長男相続制の徹底  ①男子優先、 ②嫡出子優先、 ③年長者優先
 (女戸主の相続は肯定するが、早期隠居や入夫との戸主交代によって、あくまで例外視)
 ・家を継ぐ子の相続放棄禁止(限定承認は可能だが家名だけは継げ)

 民法相続編中改正の要綱(昭和2年臨時法制審議会決議)
 ①長子単独相続を維持しつつ不平等是正を志向(ドイツ的な分配)
 ②女戸主は入夫後も戸主
 ③嫡出女子の非嫡出男子に対する優先
 ④戸主以外の相続(遺産相続)の場合、配偶者相続権を直系卑属と同順位とする

 昭和22年の大改正(昭和22年5月3日以降年内は応急措置法で対処)
 ①家督相続の廃止。死亡による財産相続への一本化
 ②配偶者相続権の強化
 ③長子単独相続制から諸子均分相続制へ

★終戦後民主主義を積極的に導入、家制度を解体のため家督相続を廃止し、子供はみんな平等と云うことで均等相続割合を決めた。これだけを見ると良いことだと単純に思いますが、裏があると知ったらどうでしょうか。家督相続の廃止と均分相続の導入は、日本の家族に甚大な影響を及ぼし、それにより、親子・兄弟姉妹の遺産争いが顕在化し、家族の結びつきが利害中心のものに変じた。家族における個人主義が、遺産の相続問題をめぐって、家族間の対立・抗争を激化し、今日の訴訟社会へと繋がっているとしたら。

★財産を均等分割にすると決めたのは誰なのか。
 「日本人が知りたくない アメリカの本音」 徳間書店 元NHK・NY総局長 日高 義樹著
 もともとアメリカの人々にとって土地はきわめて大切である。遺産相続でも土地は基本的に長男が相続するとされている。これについて私は詳しく調べたわけではないが、アメリカの人々は伝統的に、土地を細かく分けて息子や娘達に相続させることはしてこなかった。細かく分けてしまっては資産として残らないという考えからだろう。
「財産の相続は当然のことながら平等に行われる。しかし土地は長男のものだ」
 こういった暗黙の了解があり、この問題についてゴタゴタが起きたという話はあまり聞かない。財産のうち株や宝石、絵画といったのもは次女や次男に分け与えられるが、土地はそっくり長男がもらう。
「アメリカでは開拓時代から長男が土地を全て相続した。次男以下は土地が欲しければ西部へ行かなければならなかった」

こうしたアメリカ人のものの考え方は、日本の人々には奇異に感じられる。第二次大戦が終って日本を占領したアメリカ軍は農地改革を行って地主から土地をとりあげ、小作人にただ同然で与えた。しかも政府によるアパート対策を推し進めさせた。
 こうしたアメリカ占領軍の政策は、アメリカの伝統的な考え方とは一致しない。だがマッカーサー元帥以下のアメリカ占領軍は、日本の国家システムを徹底的に破壊するために、こうした政策をおし進めたのだろう。日本人の資産についての考え方を狂わせ、社会の秩序を壊すのが狙いだったかもしれない。

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.12更新

★日経ビジネスの特集「庶民が相続税を払う日」
 「骨肉の争いが我が家に来る」

一般庶民は相続税は関係ないと思っていたが、税制改正で大変な時代になってきた。


◎税制改正の概要
  ・相続税の対象者は5割増になる。
 ・基本の基礎控除額が5000万円から3000万円に減少
 ・一人当たりの控除が1000万円から 600万円に減少
 ・最高税率が 50%から55%に上昇

  基礎控除が40%も減少しているので、課税される相続が
 格段に増加してきます。
 今まで他人事たったのが、これからは自分の事になります。

◎「ウチは関係ない」の罠
 
・「親の財産は持ち家だけだから大丈夫」
 家が首都圏や地価が高い地域にある場合、配偶者がない場合、相続人が持ち家を持っている場合、一人っ子である場合などは、基礎控除や配偶者控除が使えず、また小規模宅地の特例を使えなかったりした場合には、相続税がかかる場合があります。

・「兄弟仲が良いから大丈夫もめない」
 子供達が家庭を持ち、その家庭環境が大きな差がある場合には、大丈夫と言えない。
 また相続人の配偶者がどんな人かで、遺産分割の要求が変わってきます。相続人の影に隠れているその配偶者、これが結構問題になります。直接には遺産分割協議に参加しませんが、俗に言う「入れ知恵」がジワリジワリと欲望を拡大してきます。

・「もめるほどカネがないから大丈夫」
 最高裁判所の発表の遺産分割事件等の統計データ集を見ますと、なんと財産1000万円以下で
29%、5000万円以下で44%、合計で73%も争いがあるのです。
金持ちの方が喧嘩をしていないのです。

【表15】遺産分割事件の財産額(平成19年)
 総数  1千万円以下  5千万円以下  1億円以下   
7,013件   2,044件    3,083件      1,000件   
(100.0%)   (29.1%)   (44.0%)     (14.3%)  

5億円以下  5億円を超  金額不明
537件     41件     308件
(7.7%)    (0.6%)    (4.4%)
                 
 ※ ( )内は,総数を100とした指数である。

・「既に話が付いているから大丈夫」
 話だけでは安心できない、人間は目先の欲望に弱いものです。遺言書が安心です。

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.11更新

 遺産を分割する際に「法定相続割合で分割する」という話をよく聞きます。
一般にはこの法定相続割合で分割するように、民法で規定されているような感じを受けています。
そして当然のごとく 「兄弟は均等で財産分割をする」のが平等であるというイメージが浸透していますが、果たしてそれが平等であり子供達のためになるのでしょうか。

・親は子供達に分ける財産は平等で良いと、本当に思っているのでしょうか。
平等とは何でしょうか、子供の特性や、その子供の置かれた状況は考えなくて良いのでしょうか。
子供と云っても相続対策をするときはもう一人前の大人であり、結婚して家庭も持っているのが普通であります。
とすると、同じ兄弟であっても職業も違うし、年収も、家族構成も違い、持ち家も違っているのが普通です。結婚した相手によっても財産等は大きく違うし、病気の子供を持った人もいます。

・相続財産を分割する場合には、親とすると当然子供達の生活の状況によって、困っている子供には多く自立していて安定している子供には我慢して貰うと考えるのが普通だと思います。
違って差をつけて財産分与をする方が平等と言えるのです。

・個人個人の状況は同じではなく、それを均等割合で財産を分けることは平等とは言えない。「法定相続割合」で兄弟均等に分けると規定している方がおかしいと思いませんか。

・「法定相続割合」は財産を分割する基準ではないのです。単なる割合なのです。
それを税理士や弁護士さんなど殆どの人が分割基準と思っているから 争いが始まるのです。


・本当に子供は均等分割しなければならないのか。
 分割方法や分割基準について民法にはなんと書いてあるのか。


★民法906条(遺産分割の基準)
 遺産の分割は、遺産に属する物または権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。


・そうなのです、親の思いと同じ 「兄弟一人一人の状況を考えて分割する基準としなさい」と決められているのです。この中には当然家系を継ぐもの、仕事を継ぐものなどを考慮し、単純に均等割合などあり得ないのです。ここから相続対策を考えないと「田分け」になってしまうのです。

まずは「法定相続割合」の呪縛を取り払おう。

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.01更新

◎いつからか相続対策は財産分割、節税対策になってしまった。

 私が税理士事務所を開業して30年になります。開業当時はバブルの真っ最中、土地や株式がドンドン上がり、土地が次々と上がっていく印象がありました。

税理士事務所の仕事でも普通の会社の決算と税務申告以外に、相続対策の仕事が銀行の紹介でありました。東京に相続対策、その時は殆ど相続税対策の研修会に参加し、豊橋でも相続対策だけの仕事も結構ありました。

まだ一般の税理士さんが相続対策をしていないとき、都市銀行の支店長や次長さんと知り合いになり銀行員に研修をし、銀行のお客さんの対策をしてくれと依頼されました。
今考えると銀行さんも次々と融資をし、アパートマンションを作るように勧めていました。

相続対策もコンピューターで土地や株式がドンドン値上がりをしていくシミュレーションを行い、相続税がドンドン増えていく計算をし、そのためにはどのような対策があるかを何度もくり返しました。
その当時です、都会の自宅がドンドン値上がりをし、相続税が払えずに老女が自殺をしてしまったという事件があったのは。

この時代から相続対策は税金を如何に安くするかという事になってきました。
庶民がバブルに踊らされ、心よりもお金中心の社会に進んで行ったのです。
銀行と税理士が一体となって相続対策を勧め、相続対策の大きな柱がアパートマンションの借金による建築でした。この当時からアパートマンション建築業者が銀行と組み次々と賃貸物件を作り出し、また賃貸倉庫なども内容が分からない人まで勧めバブルを作ったのでした。

バブルがはじけてみてその爪痕はまだ続いている人もいますが、ここから相続対策は心を忘れ、財産分割、節税対策、兄弟争奪戦へと拡大をしていったまです。現在でも多くの相続対策が財産を如何に分けるか、喧嘩しない分割や遺言の書き方に重きがあるのはまさにバブルから変わってきてしまったのです。


★二宮尊徳翁の教える相続のコツ      「二宮尊徳翁夜話」より   

 若い者は家道をよく研究しなさい。

 家道とは収入財産に応じてわが家を維持する方法のことだ。家を維持するのはやさしいようだが至ってむずかしいもんだ。まず早起きから始めて、勤倹に身を慣らすようにせにゃあいかん。それから、農なり商なり、家業の仕方をよく学ぶことだ。それをしないで家を相続したんでは、将棋にたとえれば、駒の並べ方もよく知らないでさそうとするようなもんで、さすたびに負けて、結局は失敗するのが目に見えとる。

 もしやむなくこの修業ができないうちに相続するようなことがあれば、親類や後見人などすぐれた人を師として、いちいち指図を請うて、それにしたがうのがよい。
 これは将棋を一手ごとに教わりながらさすようなもんで、それなら間違いはない。それを、うぬぼれて、人に相談もせず、気ままにお金をつかえば、たちまち相手に取られてしまう。父のこしらえた家を相続するのは、たとえば、将棋の駒を人に並べてもらったようなもんだ。将棋の道を知らんのに、すべて自分の思うままにさしたりすれば失敗するのはあたり前のことだ。

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.01更新

●税理士を開業してから30年で多くの相続事案をお手伝いさせていただきました。
相続でもめるのは兄弟姉妹同士の場合と、子供と親との場合があります。
兄弟姉妹の子供同士の相続争いも、親子の争いも結局はその家庭の問題なのです。小さいうちからどう子育てをするかは大変重要なことです。今からでは遅いと云われる方もいますが、大丈夫です孫から教育しましょう。下記の父母憲章は私自身もとても耳が痛いものですが、将来の相続争い防止には絶対大事なものと思います。全部出来なくとも親の生き方、親の背中を見せるには心すべきと思います。


【父母憲章】

一、父母はその子供のおのずからなる敬愛の的であることを本義とする。

二、家庭は人間教育の素地である。
  子供の正しい徳性とよい習慣を養うことが、
  学校に入れる前の大切な問題である。

三、父母はその子供の為に、学校に限らず、
  良き師・良き友を択(えら)んで、これに就けることを心掛けねばならぬ。

四、父母は随時祖宗(そそう)の祭を行い、
  子供に永遠の生命に参ずることを知らせる心掛けが大切である。

五、父母は物質的・功利的な欲望や成功の話に過度の関心を示さず、
  親戚交友の陰口を慎み、淡々として、
  専ら平和と勤勉の家風を作らねばならぬ。

六、父母は子供の持つ諸種の能力に注意し、
  特にその隠れた特質を発見し、啓発することに努めねばならぬ。

七、人生万事、喜怒哀楽の中に存する。
  父母は常に家庭に在って最も感情の陶冶(とうや)を重んぜねばならぬ。

                          「安岡正篤一日一言」:致知出版社

投稿者: 税理士法人あけぼの

2013.03.01更新

どちらか一方だけを行っても本来の目的である、「子供達の幸せ」にはならないのです。


◎親が相続対策を考える理由は、「子供や孫の幸せ」のためではないでしょうか。
 幸せは両輪です、温かな家庭、兄弟等がいて、それに安心できる財産があってこそ幸せと言えます。


お金が無くても幸せという人もいますが、やはりそれなりの財産はあった方が良いです。
家庭よりお金があれば幸せという人もいます。しかし若い内はそれでも良いときが有りますが、仕事から家に帰っても待っていてくれる人も無く、電気の付いていないひんやりとした家に帰るのも淋しいものがあります。ましてや兄弟喧嘩や親子喧嘩をしているときなどは、幸せとは言えません。


◎親として子供達に幸せになってほしい、だから兄弟仲良くする心と、財産を残してあげることが相続対策と思います。だから相続対策は、心を残すことと財産を残すことの両方のバランスだと思います。


◎財産を残すには如何に多くの財産を残すか、如何に税金を少なくするか、如何に納税資金などの資金繰りを楽にするかというバランスが大事です。
このブログでは節税対策だけで無く、資産対策、納税資金などの資金繰りなども書きたいと思います。


◎相続対策とはバランスです。

  財産を守っていく心    
   
  親や先祖を大事にし、感謝する心
     兄弟仲良くする心
     自分が受け継いだ財産を子孫に残す心

    財産を残す心               

   財産を守り、増やす対策
    節税をすることで財産を守る対策
    資金繰りを良くする対策


◎イザ相続となったとき、人が変わってしまうのを見ています。
 仲が良かった兄弟が相続争いをするのはよくあることです。
 相続争いの後では、実家に兄弟が寄りつかなくなります。相続の日から10ヶ月で相続税の申告期限です。初盆が終わり相続が終わってからの一周忌は結構険悪、一周忌が無事終わってからの三回忌は一体どうなってしまいますか。
このような状態になると孫同士の付き合いが無くなっていきます。従兄弟関係が無くなると、孫の人間関係が心の成長に影響を与えます。長い目で見ると家がさびれていきます。

 こんな事の無いように心を育てることがまず先です。これはそう簡単では無いのですが、皆さんの子供や孫を守るため是非色々考えていきたいと思います。

投稿者: 税理士法人あけぼの

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