2014.10.20更新
○税理士や弁護士さんなどの多くの方が言われている「生前贈与をすれば争いは起きない」は本当 でしょうか?。
先日もある本を読んでいましたらこんな事が書いてありました。
「争続」を完全に回避する唯一の方法は、
生前贈与をすること。ただし、単なる贈与ではなく、
「相続時精算課税制度」を活用することがミソです。
これって本当でしようか。
財産の分割が終わっていることと、兄弟の争いとは別なのです。
財産を分けておけば喧嘩はしないだろうというのは、心を無視した話なのです。
○「相続」ではなく「争続」はなぜ起こるのか。
兄弟間の欲の張り合い、先祖から財産を受け継ぐのが権利だと思っている、法定相続割合で兄弟均等に貰うのが当たり前になっている等、お金・財産に対する欲と執着、権利の主張等が喧嘩の原因なのです。
とすると、事前に贈与で名義が変わっていることが、贈与されなかった兄弟から見るとどうなるのか。当然何であいつだけ先に贈与して貰ったんだ、そんなの不公平だ、遺産分割の時はその分だけ控除するのが当然ではないかと言う意見も出て来るでしょう。
○一番気をつけないといけないのは、「昔の話を持ち出しての欲の突っ張り合い」なのです。
もし事前に贈与されたことでお互いの欲が表面化したら、
長男は大学の時どれ程のお金を出して貰った
次男は何度も結婚して離婚したりで、親にどれくらい出して貰ったか
長女は嫁に行くときに、どれ程親に迷惑を掛けたか
次女は旦那が商売で失敗したときに、どれだけ親から出して貰ったとか・・・・
言い出したら切りがない
親の生活費は誰が出したとか、一緒に住んでたから家賃部分は、固定資産税は誰が出したか、親の病院の費用は誰が出したかなど、どんなものでも見方によっては全て争いの元になるのです。
○「争続」を避けるには、親の思いを伝えることと、みんな親から色々して貰ったのはすべて親の 愛情なんだ、だから感謝こそすれあいつはこんなコトして貰ったなどとは言うべきでないとハッキリ言うべきなのです。親の財産を受けるのは権利ではないのです。貰えるという感謝なのです。
また困っている子供に援助するのは親として当然、これを不公平と言うべきでないと言うことを教えることなのです。全てが平等という風潮が間違っているのです。困っている子供や能力のない子供には親は一段と多く愛情を注ぐものなのです。それをとやかく言う事が間違っているのです。
もし生前中に子供達に言えなかったら、遺言書にそのことをハッキリと書き、兄弟仲良く力を合わせて生きていってくれと書くことが大事です。
早くから財産を分けても心がなければ、争いの種になるだけです。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.10.10更新
○豊川市の普通のご家族の相続の話です。
夫婦、子供二人、祖父母の六人家族で家族も仲が良く、親子の会話も十分出来ているご家族での出来事です。
お婆ちゃんが亡くなり相続税の申告をしました。
相続税は少しは出ましたが、多いと言うほどではありませんでした。
相続税の税務調査は、相続財産があまり高額でない場合は、省略されることが多いのですが珍しく税務調査となりました。
○いつものように初めて依頼された場合には、申告漏れがないように十分検討をしているはずなの に、申告時に教えてくれなかった財産があるのかなと、納税者を少し疑ってしまったのです。
相続税の税務調査は一般企業と違って故人のプライバシーや、家の中なども見せて下さいという場合が多いので、事前に予行演習を行います。
予行演習をやりながらご家族に、一般的にはこのくらいの相続財産では税務調査は来ないのですが、事前に税務署が金融機関等を確認して明らかに問題があった場合に来るのですが・・・
我々に話してない財産や贈与は何かありますかと質問しました。
○故人の相続人の皆さんは顔を見合わせて、「全部会計事務所に提示し、隠したものは一切ないし、贈与で貰ったものも無いからおかしいね。我々の知らない財産が出てくれば儲けものだよね」等と話されていました。
○税務調査当日、故人の出生から青年期、結婚後、病気の具合から亡くなった原因やその時の病院などの状況などプライバシーの事も含めて詳細に質問されました。
また故人が使っていた鞄や机の引き出し、日記から手帳などに至るまでここまで見るかという位詳細に見ていきました。そして最後は家族全員の通帳から預金取引の状況まで確認しました。
何も問題はありませんでした。
そして最後に「他にはありませんか、贈与とかもないですか、銀行を確認させて戴いても良いですか」との質問で調査は完了しました。何で調査に来たか全く判りませんでした。
○1週間後に再度確認したい旨の連絡が入り、また納税者宅での調査です。
私はもう詮索しないで単刀直入に問題点を言って下さいと申し入れました。
すると税務署員は、「じつは家族名義・お孫さんの名義の預金で調査にお邪魔したのです。500万円のお孫さんの名義の預金がありますが、贈与で貰ったことはありますか?。」
「孫は小学生ですのでそんな事はないし、息子の私も聞いたことがありません」
「銀行に行って調べてきたのですが、お婆ちゃんの字で、満期のお知らせは手紙を出さないで下さいと定期預金の申込書に書いてあり、銀行は満期のお知らせをずっと出してなかったのです。」
「これはお婆ちゃんの相続財産の漏れとしますが、よろしいでしょうか?」
○ 家族一同安堵の顔と嬉しそうな顔で、「凄い500万円も知らないお金が出てきた、税務署さんのお陰です。ありがとう」とみんなで喜びました。勿論10%の追加の相続税と過少申告加算税は喜んで納税しました。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.10.03更新
○父親が危篤、亡くなったら預金が使えないと聞いたが、どうすれば良いですか。また事前に引き出しておけば相続税がかからないと聞いたが本当ですか。との電話がありました。
○一般的によく言われることですが、具体的にはどうなっているかご説明します。
相続の手続きの詳細は、税理士法人あけぼのの「相続税のページ」 http://www.b-brain.com/
http://www.b-brain.com/afterfuneral/ をご覧下さい。
○口座名義人が亡くなったら、すぐに金融機関に通知します。
金融機関は預金者の死亡の確認をしたら口座の取引を停止します。
亡くなった方の口座を引き出す権利は、相続人にありますが、まだその預金がどの相続人のものになるかの、遺産分割の協議が終わっていません。
従って、金融機関とすれば正式の相続人でないと引き出しは出来ないと言うことになります。
如何に同居の家族であっても勝手に引き出すと、後日正式に相続した相続人からクレームがついたら銀行は困るから(当然法律的に引き出す権利は無い)と言って引き出しをしてくれません。
○亡くなったことを知らせる前であれば引き出しが出来るか。
もし銀行が知らなければ、こちらから伝えなければ知らないはずですから、引き出しは出来ます。
伝えなかった責任は、こちらにありますので、後日のトラブルの責任は金融機関は持たないと言うことになります。
亡くなった場合直ぐに通夜から葬儀の費用が要ることになります。
従って危篤になった場合には、一般には必要な資金を事前に引き出しておきます。
○もし口座が閉鎖されていて、遺産相続の確定前に引き出しをしたい場合はどうするか。
相続の協議が終わらない前に資金が必要な場合には、その銀行預金の解約手続きをすれば預金を引き出すことができます。
郵便局・各銀行に預金の解約手続きを申し出るには相続人全員の住民票・戸籍謄本・除籍謄本・印鑑証明書と相続での解約手続き書類(銀行の指定用紙)に実印が必要です。
金融機関は遺産分割の前であっても、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書、そして銀行所定の解約用紙があれば、全員の協議の結果として解約に応じます。
○亡くなる前に引き出した現金には相続税の対象にならないか。
相続税は相続開始の時(亡くなった時点)での財産に課税されます。
もし預金を引き出してあっても、預金は亡くなっていても現金はそのまま手元にあるので、その現金が相続財産として課税対象になります。
従って相続税の節税対策としての引き出しは効果がありません。
また直近で贈与をして、相続税の減額をしようとしても、「相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算します。」という規定に引っかかります。直近でなく、もっと事前に対策が必要です。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.09.30更新
○親が一生懸命働いて残した財産が、相続で発見されずに、人のものとなったら泣くに泣けず、死んでも死にきれずに恨んで出てくるかも。
何でこうなるか・・・親子の会話の不足、相続財産のありかを伝えなかった、遺言書に書かなかった、等々ありますが、人間はいつ死ぬか判らないと言うことです。
常に準備がいると言うことなのです。
○埋蔵金の小判が出てきたらどうしますか。
先祖は泣いています?
○「千両箱が見つかった」 産経ニュース 2014.5.29
江戸時代の豪商で「伊勢商人」として知られた松阪市魚町の長谷川家の旧邸宅から、江戸時代の享保大判などの貨幣54点が入った千両箱が見つかり、市教育委員会が28日、報道関係者に公開した。金色に輝く大判などを目にした山中光茂市長は「豪商の家から見つかるという物語性があり、商人を生んだ松阪の歴史を象徴する出来事として重みを感じる」と語った。
発見されたのは縦15・3センチ、横9・4センチ、重さ165・1グラムの享保大判1枚をはじめ、慶長小判7枚、一分判金や丁銀など江戸時代から明治時代に流通した金銀の貨幣。旧邸宅の敷地にある表蔵の棚の上に置かれた鍵付きの千両箱(縦47・5センチ、横26センチ、高さ19・5センチ)の中から見つかった。明治40年4月に作成された目録もあり、市教委は当時の第11代当主、長谷川定矩(さだのり)が収集し保管していたとみている。
市教委によると、享保大判は享保11(1726)年に発行。武将が手柄をあげた家来に贈る際などに使われ、1枚で小判7~20枚の価値があったという。
造幣博物館(大阪市)によると、享保大判と慶長小判の希少性はそれほど高くないが、保存状態が良いと、最高で1枚900万円前後で取引される。
○へそくりを死ぬ前に家族に伝えていますか。
自分が死ぬ前に、きちんと家族に財産の詳細を伝える人はなかなか居ませんね。
先日、当社のお客様からこんな話を聞きました。
その会社は古本の出張買取を行っています。
あるところから父が亡くなったから書斎の本を全部引き取ってくれとの依頼がありました。
早速社員が2名でトラックでお宅に伺いました。
立派な書斎で、本棚にある本も学術書など大変しっかりした本が山積みでした。
買取をして店頭に販売するため一冊ずつ確認し、磨きを掛けます。
すると、なんとあちこちの本に1万円札が挟んであり、その数48万円。
ビックリして買取のお客に連絡をし、返却に行きました。
○遺失物のお届けだから、チョット期待してしまった。
でも・・・ お返しにあがったら奥様が出てきて、「ありがとう」で終わってしまった。
無事お返しできて良かったという思いと、何かチョット物足りない思いでしたとのこと。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.09.20更新
○新城市の独居老人の相続税申告を受託しました。
会計事務所の相続税申告の受託は、2つのパターンがあります。
1つは、従来より会計事務所の顧問先であった方の相続税の申告。
もう1つは、全く初めての受託、銀行や司法書士等の紹介で、相続税の申告だけ受託します。
その初めての方の財産を調べるのに、本人が既にお亡くなりになっている。
そしてその方のご家族も財産をよくご存じないという場合もあります。
○今回の相続税の申告も全く手探りから始めました。
被相続人であるお父さん一人の生活。ご家族のうち奥様はすでに亡くなっていました。
娘さんお二人は、遠方に嫁いでいました。時々心配で電話などはしていましたが、お父さんはお一人で頑張って生活をしていました。
そして急にお亡くなりになり、銀行からの紹介で相続税の申告を受託しました。
○どんな財産があるのか、お父さんの使っていた金庫や書類関係、香典帳や電話帳、郵便物から日記帳まで全てを見せて戴きました。
株式取引もやっていましたので、過去の取引状況を取り寄せたり、全ての預金通帳をみて、古いものが無い場合には銀行に依頼して、それらの取引からどんな生活や何にお金を使っていたかなどを推理しながら相続財産の確定を行いました。
○10年以上前から百万円単位の預金引き出しが頻繁に行われていました。
普通は3年前程度の預金通帳を調査しますが、今回は調べてみると使途不明金が次々出てきて、どんどん遡って調査をしました。会社員を退職して年金で生活していただけですので、大きな動きは殆ど無く、株式投資の動きが中心でした。
その預金の引き出しで年に数回、多い年には毎月100万円~200万円の現金引き出しがありますが、それがどこに行っているのか全く掴めませんでした。
娘さんお二人に贈与の事実はないか何度も確認をしましたが、二人とも絶対に贈与はされてないとのことでした。
○周辺の銀行や信用金庫などに問い合わせても、新たな口座は発見できませんでした。
誰かに贈与したとか、お手当で渡したとか、お父さんの回りにそんな人はいませんでしたか等とも彼女がいるかもとか色々想像たくましく調べましたが、全く掴めませんでした。
使途不明金の総額を計算しますと8000万円は下らないと言うことになりましたが、行方は全く判らず、娘さんに一度家捜しをして下さいと頼みました。
○一ヶ月ぐらいたった夕方、「お金が出てきました、もの凄くあります」と電話がありました。
家捜しをしても見つからず諦めていたところ、ふと仏壇の上の天井裏が気になって天井板を外したところ、発泡スチロールの60センチぐらいの大きな白い箱が出てきた、開けてみたら銀行の封筒がびっしり入っていたので今から会計事務所に持っていくとの事でした。事務所で一つ一つ銀行の封筒を開けてみてビックリ、全て帯封のついた1万円札。そして下ろした日付が封筒に記入してあったのです。合計して9800万円。古家は解体予定でしたが、事前に見つかって良かったと喜んで相続税を納税されました。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.09.10更新
○兄弟は相続割合は平等だという考え方が一般的になってきています。
私がこのブログで「田分け」は本家を潰し、結果的に分家である兄弟達も良くないといくら言っても、本家の長男以外の兄弟の方は、簡単には相続を放棄や相続財産が少なくて良いと言いません。
○税理士事務所を30年経営し、相続税の申告も結構多くしてきました。
法定相続割合と言うことで、兄弟が譲らずそのような割合で分ける方もいますが、まだまだ兄弟間では家を護り、親の面倒を見てきた長男に対しては、一部譲歩したり、相続財産は殆どいらないという方も見えます。
豊橋や豊川、新城、渥美などが私が相続税の申告をさせて戴く東三河はまだ田舎でしようか。
長男の思いを考慮してくれる兄弟は多いように感じます。
○しかしそれは長男の対応で大きく変わります。
家を出た兄弟姉妹の方は、相続財産を多く請求しようとは思いませんが、長男はどのように言って来るかは待っているのです。相続税の申告期限ぎりぎりに遺産分割の話をすれば、当然苛立っています。
また通夜葬式では財産の話はしませんが、49日や初盆では「長男は遺産について何か言ってくるのかな・・・」と思っている兄弟は少なくありません。
その時のタイミングを外すとお互い言い難くなり、聞きにくくなります。
○兄弟には経過報告をして、情報の共有が大事です。
家を出ている兄弟姉妹の方は法定相続割合で請求しようとも、たくさん相続財産を貰おうとも思っていない方も結構お見えになります。
しかしどうなっているのかは皆さん興味津々です。
兄貴が勝手にやっている、兄貴は自分の都合の良いようにやっている、兄貴は自分の知り合いの税理士に頼んで有利なようにやっている等と思われないようにしないと、話がスムースに行きません。
だから必ず49日には、「遺産相続については、余り早くから手をつけたくなかったから、49日が終わってから相続財産を調べようと思っている。途中経過は随時知らせるから宜しくな」と言っておきます。
次に相続税の申告を依頼する税理士を決定したら、その旨を兄弟に連絡し、その税理士から依頼を受け質問などがあれば連絡下さいという受託文書を全員に出して貰う。
これだけで話し合いの筋道は出来るものなのです。
○相続財産が大体判ったところで、早めに全員に話し合いの機会を持ちたいとの連絡をする。
初盆などのタイミングでそれが出来れば良いと思います。
早めに全ての財産を開示しない方がよいという方も見えますが、最後には全てを開示しないと話し合いは出来ないまで、隠し事をしない方が私はよいと思います。
○相続税の申告直前に、「あなたは嫁に出たんだから○○で我慢してくれ」と言われた妹が切れました。当初は私は少なくても良いと言っていたのですが、途中心配したりどうなっているか苛立ったりしていたところに、法定相続割合の3分の1より相当少ない財産分与と、既に税務申告書ができあがっているのを見て絶対了承しないと切れました。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.09.01更新
○市役所に戸籍が残っているうちに戸籍をとろう。
自分の戸籍を取り寄せ、それを元にして親の戸籍をとりよせ、その親の戸籍を証明にして祖父の戸籍をとりよせ、その祖父の戸籍を、という風に順を追ってとるのですが、市役所に行き事情を説明して有るだけ謄本を請求します。
以前は、除籍簿は80年以上経つと廃棄されることになっていましたが、最近は150年までは保存することになりました。
○除籍謄本
除籍とは、以前戸籍だったものが、その戸籍にいる人達が転籍や死亡などによってその戸籍からいなくなった戸籍を除籍と言い、その謄本を除籍謄本と言います。
除籍された人の名前の所には、×(バツ印)がされていますので、 戸籍の中にいる人のなかで、他の戸籍に移動した、つまり除籍した人の名前にも、×(バツ印)がされています。
全員が×(バツ印)がされれば、その時その戸籍自体が、除籍となります。
その戸籍が、除籍なのかどうかは、一目でわかるように、 戸籍の冒頭に、除籍の場合は、除籍という判が通常は押されています。
○除籍の保存期間は以前は80年となっていましたが、今は150年です。
戸籍法施行規則等の一部を改正する省令(法務省令第22号)の戸籍法施行規則第5条第4項が改正され、「除籍簿の保存期間は、当該年度の翌年から150年とする。」となりました。
施行期日は,平成22年6月1日であり、経過措置の定めはないので,既に保存期間80年は経過しているが,現実に保存されているものもすべて,保存期間は,150年となります。
○相続税の申告の場合も相続関係の確認で必要がありますので、除籍謄本は重要です。
明治の最初の頃の除籍謄本や原戸籍は、すでに役所で保存期間を過ぎ、役所内で破棄されているものもたまにあるようです。
そして、地域によっては戦争時の空襲などで、焼失した戸籍もあります。
そういった場合でも、遺産相続の手続きでは、そのことを証明する必要があります。
そういったことから、破棄されている場合には、破棄証明を、焼失して存在しない場合は、焼失証明を役所から発行してもらいます。
○壬申戸籍(じんしんこせき)は、明治4年(1871年)の戸籍法に基づいて、翌明治5年(1872年)に編製された戸籍であります。壬申戸籍と呼ばれるものも廃棄されていることになっていますので
明治19年(1886年)以降の戸籍しか存在していません。持っている役所もあると聞きましたので、是非自分の家のルーツを調べてみて下さい。
○自分の家もしくは本家など親しい親戚宅で過去帳の調査もできたらしましょう。
自分の家の調査をするに、親しい親戚や本家などに家系図と戸籍類を持参で、過去帳、位牌、墓石、仏壇を見せてもらいます。まず知ることから先祖を大事にする心が生まれると思います。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.07.25更新
◆贈与税の計算期間
贈与税は受贈者(=贈与を受けた人)が、
その年の1月1日~12月31日までの1年間に、贈与された財産に課税されます。
贈与者(=贈与した人)の人数には関係なく、あくまで受贈者自身が1年間に総額いくら贈与され たかによって、税額が決定されます。・・・一人からいくら贈与されたかではなくて、自分一人が みんなから総額いくら贈与されたかです。
◆贈与税の計算方式
贈与税には、暦年課税と相続時精算課税の2つの方法があります。
■暦年課税贈与税
毎年(1月1日~12月31日迄の期間)110万円以下の取得なら税金はかかりません。
1年間(1月1日から12月31日まで)に贈与により取得した財産の価額が110万円を超える場合には、贈与税の申告と納税が必要になります。
■相続時精算課税贈与税
父または母からの贈与で通算2500万円以下の取得なら税金はかかりません。
○選択できる条件
贈与者・・・・65歳以上の親
受贈者・・・・20歳以上の子(推定相続人、子が亡くなっている場合はその孫を含む)
○計算の仕組み
贈与を受けたときに、贈与財産に対する低率の贈与税を払い、贈与者が亡くなった場合に、相続財産にその贈与財産(贈与時の価格)を加えて相続税額を計算し、既に支払った相続税額を控除する方式。
○相続時精算課税方式の活用方法の例
相続時に贈与分を加算して再計算するので、相続の時点で財産や世の中がどうなっているか予想がつかない現代は、相続財産が多い方はあまりお勧めできません。
今大きなお金(2500万円以下)を贈与して貰いたいが、贈与税は払いたくない。相続時にも相続税はゼロかあまり出ない場合には、贈与時に課税されないし、相続時加算してもたいした金額でない場合には、利用価値があります。その他場面に応じての使い方はありますので、ご相談下さい。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.07.15更新
◆税務上では贈与として認められないのか?
前回、孫が「贈与して貰った」という認識があるかないかの話をしました。
ただお婆ちゃんが「将来孫に渡すために貯金をしていた」、これでは孫が知らないから贈与ではないことは明かですね。
では 孫にお婆ちゃんが、
「花子ちゃんのためにお婆ちゃんは毎月貯金をしてるから、きちんと花子名義にしているから大人になったら渡すからね」と言い、花子ちゃんは「ありがとうお婆ちゃん」と言った。
この場合 贈与として認められるでしょうか。
○預金名義だけでは、贈与ではありません。
大人になったらと言うことは勿論今贈与していないと言うことですが、もう一つ考えて欲しいことがあります。
花子ちゃんが「ありがとう」と言っても、現実のその預金の所有権は誰なのでしようか。
貰ったものは、本来貰った人、贈与を受けた人の自由になるものです。
その預金の通帳や印鑑は花子ちゃんが持っていて、自由に引き出して使うことが出来るのでしようか。
この様な場合は預金通帳も、印鑑もお婆ちゃんが持って管理をしています。
従って、花子さんの自由にならないとすれば、贈与があり、所有権が花子ちゃんに移ったとは云えないのです。
従って贈与でなく、名義を借りて預金を作ったと云う事になります。
だから相続財産の中に含めて相続税の申告と遺産分割が必要となります。
○現実問題としてその預金はどうするのか。
相続人から考えれば、お婆ちゃんの意志を大事にしたいと思いますね。
だったら その預金は花子ちゃんにあげるべきだと思いますが、贈与されていなければ、孫である花子ちゃんには相続権はありません。
相続人の全員の協議で花子ちゃんの親に相続してその後花子ちゃんに正式に贈与する方法。
また、基礎控除以下で相続税の申告が不要、相続税が掛からないとすれば、あとは相続人全員で協議をすれば良いと思います。花子ちゃんが貰っていたことを全員で確認すれば、相続税は掛からないし、名義をそのままにして実際に花子ちゃんが貰うことも可能だと思います。
○預金名義だけを変えるような贈与は気をつけて下さい。
毎年110万円の定期預金を作って10年後に、1100万円をまとめて渡したとします。
毎年110万円で税金が掛からないからと言っても、その贈与が正式でない場合、例えば通帳と印鑑を渡してなかったら、贈与ではないのです。
1100万円を一度に贈与したと認定されたら、271万円の贈与税が掛かります。
是非名義を変えるだけの贈与は慎重に行って下さい。
◆111万円を贈与し、申告して1000円の贈与税を払うことで証拠作りが出来ます。
投稿者: 税理士法人あけぼの
2014.07.05更新
★母の遺品を整理してたら、孫名義の預金通帳が出てきた・・・どうしよう?
よく有る話です。お婆ちゃんが大事な孫のために一生懸命貯金をする。そして孫が高校入学や大学入学の時に、「はい お婆ちゃんからですよ」と言ってまとまったお金を渡す。
今回のお婆ちゃんは何年か一生懸命貯めて孫が喜ぶ顔を見たかったのに、残念ながら喜ぶ顔を見られずに浄土へ旅立ってしまったのです。
そして息子が遺品を整理していたら出てきたのです。孫名義の普通預金の通帳と印鑑が。
本当はお婆ちゃんの手から、孫へと渡したかったのに残念ながら、息子が受け取ってしまった。
★この遺産である孫名義の普通預金はどうすれば良いのでしようか。
○贈与になるのか、贈与ではないのか、お婆ちゃんが孫名義の預金を作っただけなのか。
税務調査の場合には、贈与の事実があるかどうかが問題になります。
この場合には贈与は認められず、相続財産に加算され、相続税の対象になります。
○なんで贈与として認められないのか?
お婆ちゃんが孫名義の預金を作った時点で贈与なのではないのか。?
「贈与」とは民法上はお互いの契約なのです。
一般的には「ただでものをあげること」を贈与と言っていますが、法律的には「ただであげます」とお婆ちゃんが言い、お孫さんが「お婆ちゃんありがとう」と言って始めて贈与が成立するのです。
従って、どちらかが知らないといったことはあり得ません。
今回の場合には、お婆ちゃんも「ただであげる」と言っていないし、お孫さんも「戴きます、ありがとう」と言っていないので、贈与は成立していないのです。
○相続税の税務調査で次のようなことがあります。
相続税の調査で、子供名義で毎年110万円の定期預金が作られていたのが発見されました。
税務調査官 「あなたはお父さんから毎年100万円贈与を受けていたのですか?」
相続人の子供 「いいえ、そんな話は聞いていませんでした」
これでは贈与契約は成立していないわけであり、その預金の名義は「相続人・子供」であっても、贈与してないのだから「被相続人、亡くなった人」のものとなります。
ですから、他の相続財産に含めて相続税の申告しなければならないことになります。
○銀行預金の贈与で気をつけないといけないこと
一般的に1年間で110万円までは贈与税が掛からないから、子供名義で預金を作ることがあります。銀行員も税務関係者も簡単に言っていますが、これは本当に贈与として成立しているのでしょうか。上記のように贈与は契約であると言うことを知れば、名義だけ変えても贈与にならないと言うことが分かりますね。
毎年110万円を名義変更をして贈与のつもりになっていればあとで大変な事になります。
ご注意下さい。どうすれば良いかは次回に声明します。
投稿者: 税理士法人あけぼの